台湾地震で「募金が届かない」悪質デマ拡散


台湾で発生した地震を受け、日本での募金する時の注意事項として特定の団体を名指しし、集まった募金が被災地に届かないとの悪質なデマが、Twitter上で拡散している事例である。



問題発生の経緯

2018年2月7日未明に台湾東部で発生した地震を受け、日本国内でも寄附などの支援を呼び掛ける声が高まっている。そんな中、インターネット上では、「台湾の地震で募金する時の注意事項」との書き出しで始まるツイートの拡散が進んでいる。

話題のツイートは、東京都内に住むという男性が2018年2月7日未明、地震発生から約2時間後に投稿したもの。「台湾の地震で募金する時の注意事項ね」と切り出し、次のように記している(以下引用部分、原文ママ)。指摘の根拠は示していない。
「ドラえもん募金(朝日系列。一部しか届かず残りは朝鮮へ)、サザエさん募金(フジ系列。同じく。)、日本ユニセフ(一番ダメ。アグネスチャンやスタッフの収益に大半が消費される。)ピースウインズ(北朝鮮系。言わずもがな。)、募金する際は直接日本赤十字へ!」
なお、上のツイートで名指しされた4つの団体(募金)のうち、テレビ朝日福祉文化事業団の『ドラえもん募金』、フジネットワークシステムの『サザエさん募金』、日本ユニセフに関しては、今回の台湾での地震を支援するための募金受付は2018年2月8日夕時点で実施していない。

だが、この投稿はTwitter上で爆発的に拡散されてしまい、ツイートの内容を信じるユーザーが続出している。

情報拡散の経緯

「募金が届かない」と特定の団体の名指ししたデマがTwitterに投稿。
この投稿が、Twitterや掲示板等で、瞬く間に拡散。
ツイートの内容を信じるユーザーが続出。
この騒動を受けて、名指しされた4団体は事実ではないと否定。
ツイートを発信したユーザーは、日本赤十字社の活動を応援するための投稿だと回答した。

加害者側(炎上させた側)の情報

今回のツイートを発信したユーザーはJ-CASTニュースの取材に応じ、投稿の意図について、日本赤十字社の活動を応援するため、などと回答した。その上で、
「注目を集めた事で義援金のより良い使われ方を皆が考える機会になったなら良かった」
として、同社の義援金口座が開設された後に、それを告知するとともにツイートを削除する予定だとも明かした。

被害者側(炎上させられた側)の情報

ツイートで名指しされた4団体は、「そのような事実はありません」と否定。
名指しされた団体の中で唯一、今回の台湾地震で寄附受付や支援を行っているNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」の広報担当者は取材に対し、ツイートの投稿者に対しては「法的措置を検討しています」とも明かした。すでに、今回の件について弁護士に相談をしているという。

ネット上の反応

「これすごいね、週刊誌がほっとかないレベルの闇やん」
「基本、テレビ局・マスコミ系はダメですね」
「間違ってもユニセフやドラえもん募金に募金してはいけない」
「根拠を示していただけます?」
「これは酷いデマだなぁ。しかも緊急時に」
などといった様々なコメントが多数投稿されている。

結果(その後もしくは現状)

この投稿は、2018年2月8日夕時点で6万2000回以上のリツイート、「いいね」は5万件以上されており、現在も拡散され続けている。

参考URL

  • http://news.livedoor.com/article/detail/14275116/