英テロ事件めぐりイスラム女性に批判 現場を素通りする姿がネットで拡散


テロ現場を素通りしたムスリムの女性の写真がTwitterに投稿され、批判が殺到。ネットで物議の的になっている事例である。



問題発生の経緯

英ロンドン・ウェストミンスターでのテロ事件から数日たった現在も、英メディアは事件の様子を途切れることなく伝えている。犠牲となり帰らぬ人となった通行人や警察官のためにアカウントが設置されたオンライン募金サイトには、追悼の意を込めて多くの寄付が集まっているが、一方でテロ現場に居合わせた人達への批判もネット上で起こっている。

英国民を震撼させたテロ現場で2017年3月22日、不謹慎にも自撮りをした男性がTwitterで猛批判を受けたが、今度はある女性がバッシングの対象となってしまった。

Twitterで「Texas Lone Star」と名乗る男性は、テロ事件の現場を写した映像が明らかにされると、多くの人が負傷者の救助にあたっているウェストミンスター橋で、薄い茶色のスカーフを頭に撒いたムスリム(イスラム教徒)の女性が、左手で頬を抑え右手には携帯電話を持ちながら、現場の様子に立ち止まることもなく足早に素通りしている姿に目を留めた。

そして「Texas Lone Star」は2017年3月22日、Twitter上で女性を「モンスター」と批判した。
「テロ事件にまるで関心のないムスリム女性は、電話をチェックしながら負傷した人の真横を素通り」とツイートし「#PrayForLondon」「#Westminster」というロンドンテロ関連のハッシュタグと共に「#BanIslam(イスラム教徒を排除しろ)」というタグも添えた。さらに「ムスリムとクリスチャンの違い」とツイートし、その女性の写真の横に必死で救助活動にあたる通行人の白人の姿も投稿した。

このツイートはたちまち拡散され、この男性を支持する声も見受けられたが、多くのユーザーたちはムスリムに対して差別意識を明らかにしている男性に反論した。

情報拡散の経緯

英テロ事件の現場を撮った写真がTwitterに投稿される。
現場を素通りしたイスラム女性の写真。
この写真がSNS等で世界中に拡散され、炎上騒ぎに。
同調する声もあったが、イスラム女性に対する差別意識への反論も多い。

加害者側(炎上させた側)の情報

アカウント名「Adam truth」は、同じ現場で白人男性が同じように素通りしている写真を投稿し、「白人の男性もこんな風に現場を急ぎ足で素通りしている。その男性には批判はしないのかい?」とツイートしている。

被害者側(炎上させられた側)の情報

批判の対象となった女性本人が、
「私の姿がネットで取り上げられてとてもショックを受けています。私は凄惨なテロ現場を目撃したことで深い悲しみに沈んでいました。あの写真ではわからないことですが、私は実際に何が起こったのかを目撃者に尋ね、何かできることはないかと聞きました。仕事の帰りだったため、家族に私が無事であることを電話で伝え、私のそばにいた女性をウォータールー駅まで送って行きました。」
とサイトに投稿をしている。

ネット上の反応

「あなた、本当に人として恥ずかしい人ね。」
「こういうツイートは嫌悪を引き起こすだけで何の必要性もないわ。ツイートする前に考えたらどうなの。」
「本当のモンスターはお前だろ」
「恐怖で直視できなかったのかも知れないわ。この女性のすぐ後ろの白人の女性だって同じように頬に手を当てて歩いているじゃないの。」
といったコメントが投稿されている。

結果(その後もしくは現状)

問題となったツイートはたちまち拡散され、この男性を支持する声も見受けられたが、多くのユーザーたちはムスリムに対して差別意識を明らかにしている男性に反論した。

参考URL

  • http://news.livedoor.com/article/detail/12847426/