1冊6万円の謎の本、国会図書館に大量納本→炎上


ギリシャ文字などを無作為に打ち込んだ1冊6万4800円のシリーズ本が、国立国会図書館に78巻納本され、ネットで疑問の声が上がり炎上している事例である。


1冊6万円の謎の本、国会図書館に大量納本→炎上

問題発生の経緯

問題の本は、りすの書房が発売した『亞書(あしょ)』。同社によるとネット書店『アマゾン』で販売を開始。112巻まで作成し、最終的には132巻まで出す予定という。
A5サイズで480ページのハードカバー。各ページとも縦12センチ、横9センチの枠内にギリシャ文字やローマ字が並び、ページ数は振られておらず、全く同じ内容のページもある。
ロシア人らしきアレクサンドル・ミャスコフスキーという著者名で15年2月から次々に出され、6万4800円もする本が計96巻まであった。いずれも新品を1冊だけ扱っていた。

その後、国会図書館にこの本が60巻まで納入されていることが分かった。国会図書館法第24条では、出版物は原則として1部を納本するよう義務付けており、その際は、代償金として、小売価格の半額を支払うことになっている。とすると、出版社側には計200万円ぐらいが支払われた計算だ。

ところが、出版社サイトでは、住所が東京都墨田区内になっていたが、実際は理容室の場所になっていた。また、著者名をネット検索しても情報がほかになく、出版社にメールしてこの本の一部を読んでみたところ意味不明の外国語らしき文字が連ねてあったとの報告がネット上で出た。
この出版社と同じ住所でいくつかの別名の出版社が本を出しており、言語別聖書とする本を1冊5万円ほどで、100冊ほど出していたことも分かった。ほかの本も、高価なものが多かった。
国会図書館にもこれらの出版社から計400冊ほどが納本されており、仮にすべてが5万円とすると、計1000万円ぐらいが支払われていた計算になる。

真偽はまったく分からないが、ネット上では、「これ、出版社やりたい放題やん」「国会図書館側は中身見て検討しないのかよ」といった疑問の声が相次いでいる。

情報拡散の経緯

ナゾの本がアマゾンで売られていると、2015年10月20日ごろにTwitterなどで話題に。
ユーザーが出版社の情報を検索。
出版社とのやり取り内容をSNSで拡散。
出版社と国会図書館へ非難が殺到。

被害者側(炎上させられた側)の情報

アマゾンでは、「亞書」は次々に削除されており、出版社サイトでは、10月26日から期間未定で臨時休業することが告知された。

国立国会図書館の広報係は、「頒布の実態があったのか、などは調査しています」としている。

ネット上の反応

「まあ悪知恵があるやつは。いろいろ考えるな」
「こういう無駄の削減こそ消費税の増税より先にやれ」
「作者が本ではないと言っているから本ではない。」
「こういう商売もあるんだ。」
といった様々な声がある。

結果(その後もしくは現状)

同館は納本された本の定価の5割と送料を「代償金」として発行者に支払うことが国立国会図書館法などで定められている。
2014年度は、約15万点に対し約3億9千万円の代償金を支払った。

参考URL

  • http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/31/book-cost_n_8443368.html
  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151027-00000000-jct-soci