女子中生誘拐事件で千葉大生を襲い始めた「風評被害」


埼玉県朝霞市の女子中学生が約2年ぶりに保護された事件で、未成年者誘拐の疑いで逮捕された男性が在籍していた千葉大学に対し、「千葉大は犯罪が多いイメージ」という声も上がっており、炎上状態になっている事例である。


女子中生誘拐事件で千葉大生を襲い始めた「風評被害」

問題発生の経緯

寺内容疑者が千葉大工学部に在籍していたことが各種報道で伝えられた16年3月28日以降、Twitterやネット掲示板には「千葉大は犯罪が多いイメージ」などの投稿が相次いで寄せられている。それだけでなく、千葉大生が集まるネット掲示板には罵詈雑言に近い書き込みが殺到し、いわゆる炎上状態になっている。

こうしたマイナスイメージを抱くネットユーザーが続出する背景には、09年に逮捕された市橋達也受刑者の存在があるようだ。千葉大園芸学部を05年に卒業した市橋受刑者は、07年にイギリス人女性を殺害。その後2年7か月にもわたる逃亡生活を送り、逮捕後の11年に逃走時の心境などをつづった手記を出版したことで世間を大きく騒がせた。

また、09年には千葉大園芸学部4年(当時)の女子大生が殺害され、自宅マンションを放火される事件も起き、そのことを引き合いに出すネットユーザーも出ている。

ネット上で盛んに取り沙汰される千葉大と犯罪のイメージに、大学関係者からは『風評被害』を訴える声も上がっている。

情報拡散の経緯

逮捕された男性の経歴が報道される。
それを受けて、千葉大への批判の声が相次ぐ。
批判の声に対し、風評被害を訴える声が上がる。

被害者側(炎上させられた側)の情報

千葉大卒業生OGの20代女性は16年3月31日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「大学時代の友達や後輩と『また千葉大だよ。やばいね…』って話していたんです。市橋受刑者の事件のときもそうですけど、千葉大の名前がこんな形で出るのは卒業生としては正直複雑です」と答えた。

ネット上の反応

「千葉大って犯罪者出しすぎじゃね?」
「千葉大は犯罪が多いイメージ」
「犯罪者多いから千葉大はやめとけ」
「就活に影響したらどうするんだ」
「後輩が就職活動で苦労するかもしれない」
といった様々な声が上がる。

結果(その後もしくは現状)

今回の事件が大学関係者の間で波紋を広げる中、当の千葉大は16年3月31日、寺内容疑者の卒業認定および学位授与を一旦取り消し、卒業を留保することを決定したと発表。
この決定に対しネット上では、「そんなに自校の名誉を守りたいのか」といった批判が相次いでおり、一部からは「千葉大批判恐れすぎて批判されてて笑う」と皮肉る声も上がっている。

参考URL

  • http://www.j-cast.com/2016/03/31262948.html?p=all