広島県教育委員会が先月末、組み体操中の事故を題材に『許し合うことの大切さ』をくみ取る目的で作られた道徳教材が、批判が相次いだためホームページから削除をした事例である。
問題発生の経緯
削除したのは、2002年に県内の小学校教諭が自作した小学高学年向け読書教材。翌年冊子化されて県内の小学校に配布され、県教委のホームページ上でも公開された。
教材は、小学6年の児童「つよし」が運動会前日の組み体操の練習中に転落し、骨折する場面から始まる。その後、同級生の「わたる」が最初にバランスを崩したとつよしに明かす。つよしの母親が、わたるに「自分を責めず、つよしの分まで頑張って」と声をかけ、運動会に参加できなくなってふて腐れるつよしにも「一番つらい思いをしているのは、わたる君だと思うよ」と呼びかける内容だ。
県教委は「謙虚な心を持ち、自分と異なる意見や立場を大切にしようとする心を育てるもの」と教材の狙いを説明。教材を活用した学校からは「運動会の前に学習したため、真剣に取り組めた」など肯定的な意見が複数寄せられていたという。
しかし最近、全国の小中学校で組み体操による事故が起きていることが問題化。先月になって急きょ、文中に教師や学校が登場せず、事故の原因も明らかにされないことに対し、識者らから疑問の声が上がり始めた。
小中学生の組み体操の都道府県別負傷率を調べている大阪経済大の西山豊教授は2016年1月5日、「学校の安全対策の不備で事故が起こる現実を踏まえていない」などとして県教委に削除を要請。さらに2016年1月26日、首都大学東京の木村草太准教授もネット上のコラムで批判し、他にも電話やメールで批判的な意見が相次いだため、県教委は2016年1月28日、教育長らと協議し、削除したという。
情報拡散の経緯
ホームページにコラムが掲載。
その内容に対して、批判の声が上がる。
それを受けて、ホームページから削除される。
被害者側(炎上させられた側)の情報
県教委は「教材の狙いとは違う部分で批判された。事態を収めるために削除した」と説明する。
ネット上の反応
「いろんなところに余波が」
「危険な体操なんて止めろ!」
「これは生徒でなくて教師にとって都合良くする為のみの教材だろ」
「確かに批判されて仕方のない内容だと思うが」
といった声が相次ぐ。
結果(その後もしくは現状)
県教委の担当者は「10年以上前に作られた教材が急に批判され、困惑している」と吐露した。
参考URL
- http://mainichi.jp/articles/20160206/ddn/041/040/013000c
- http://blog.livedoor.jp/sociallife2ch/archives/47744830.html
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