ハッカーから欠陥を指摘されたハンガリー機関 通報して逮捕させたことで批判が殺到


ハンガリーの交通センター(BKK)という公共交通を担う組織が、脆弱性を指摘したハッカーのことを通報し逮捕させたことで批判が殺到し、炎上騒ぎとなっている事例である。



問題発生の経緯

脆弱性はブダペスト交通センターのチケット購入に関する部分にあり、ウェブブラウザの開発者ツールを利用してソースコードを修正することで、チケット価格を変更することができるようになっていた。この脆弱性に気付いた18歳のハッカーは、本来は9459フォーリント(約4010円)の切符を50フォーリント(約21円)で購入することができた。

BKKの脆弱性に気付いたハッカーは、報奨金狙いだったわけではないが、このことをBKKに伝えた。ところが、BKKは「システムにハッキングを仕掛けてきた」として、ハッカーのことを警察に通報。ハッカーはブダペスト在住ではなく、購入した切符も利用していませんでしたが、警察に逮捕されることになった。

BKKは記者会見を開いて「システムは安全だ」と宣言しましたが、すぐに他のユーザーがTwitterで欠陥を指摘。周辺関係の調査により、システムのメンテナンスに年間100万ドル(約1億円)が費やされていることが判明するに至って、BKKとシステム管理者のKalman Daboczi氏に対する怒りが噴出。
ハンガリーのFacebookユーザーを中心として、一丸となってこの若いハッカーを支援することを示すため、BKKのFacebookページのレビューに「☆1つ」が4万5000件寄せられることになってしまった。

情報拡散の経緯

ハッカーがハンガリーの交通センターのシステムに脆弱性に気づく。
指摘した18歳のハッカーを通報し、警察に逮捕させた。
このニュースが、メディア等で報道され拡散。
システムのメンテナンスに多額の費用が費やされていると判明し、批判が殺到。
ブダペスト交通センターのFacebookレビューに星1つが多数寄せられる。

ネット上の反応

このニュースを見た日本ユーザーは、
「幾重にも皮肉が折り畳まれていて、やがて哀しきニュース」
「システム自体お粗末過ぎ」
「恩を仇で返すような仕打ち」
「日本でもありそうな話なので、笑えないし、対岸の火事ではないと思う。」

結果(その後もしくは現状)

皮肉なことに、BKKのシステムメンテナンスを請け負っていたT-Systemsという会社は「倫理的なハッキング」のコンテストのスポンサーを務めていたとのこと。

参考URL

  • http://news.livedoor.com/article/detail/13378429/