クロアチア大統領の写真に親ナチス政権時の旗、ネットで物議


コリンダ・グラバルキタロビッチ大統領がカナダを訪問した際の写真で第2次世界大戦時の親ナチス政権下で使用されていたクロアチア国旗が写っており、この写真をめぐりネット上で議論が炎上している事例である。


クロアチア大統領の写真に親ナチス政権時の旗、ネットで物議

問題発生の経緯

この写真はカナダ在住のクロアチア人男性がFacebookに投稿したもので、グラバルキタロビッチ大統領と投稿者の男性らがクロアチア国旗と共に写っているが、この国旗は戦時中のファシズム政党ウスタシャ政権が使用していたものだった。ウスタシャ政権はセルビア人、ユダヤ人、ロマ人、反ファシズム活動家ら多数を迫害・殺害した親ナチスの政権だ。

現在のクロアチア国旗は中央に描かれた盾の赤と白のチェック柄で左上角の升の色は赤だが、クロアチア史上でこの左上角の升が白い、柄違いの旗が使われていた時代があった。
特にウスタシャが用いていたことで知られているが、第2次世界大戦後、クロアチアが旧ユーゴスラビア連邦に併合された時に現在の旗に替わった。

グラバルキタロビッチ大統領の写真をめぐる騒動について、大統領府はテレビ局N1に「問題と考えられる点は一切ない」と反論し、1990年にクロアチア議会前に掲揚されてたこともあると指摘。戦時中のウスタシャ政権に対する大統領の見解は明確であり、何度も反対の意を示してきたと強調した。実際、グラバルキタロビッチ大統領は過去に何度かウスタシャを非難している。

これに対するネットでの反応は活発ながら、賛否は分かれている。

情報拡散の経緯

クロアチア大統領がカナダを訪問。
この時に撮影された写真をFacebookに投稿。
ナチス政権時の旗が写っていると、写真が拡散。
コメントが殺到し、ネット上で炎上騒ぎに。

ネット上の反応

このニュースを受けて日本では、
「日本もしっかり説明した方がいいよね。特に若い人と外国人に」
「全く何の問題もない」
「所詮はただの形、マークだろうに」
「大袈裟に騒ぎ過ぎ」
といったコメントが投稿されている。

結果(その後もしくは現状)

グラバルキタロビッチ大統領は2015年に行われた大統領選で保守系のクロアチア民主同盟(HDZ)から立候補し、当選しクロアチア初の女性大統領に就任した。
だがクロアチア民主同盟が主導した前政権は、極右の台頭を見て見ぬふりするなど親ナチス政権時代に回帰的だと非難されていた。

参考URL

  • http://www.afpbb.com/articles/-/3109309