「虐待痕隠す化粧」紹介で非難殺到、モロッコ国営TVが陳謝


モロッコ国営テレビ2Mが、虐待を受けた女性の顔の傷を化粧で隠す方法を番組で紹介したところ、ネット上で非難が殺到し炎上。その後、陳謝することになった事例である。


「虐待痕隠す化粧」紹介で非難殺到、モロッコ国営TVが陳謝

問題発生の経緯

同局は毎年11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー(International Day for the Elimination of Violence Against Women)」に合わせ、2016年11月23日朝の情報番組の中で「女性が暴力を受けた際に役立つメークの種類」を紹介していた。

番組には、顔を腫らした女性が登場。司会者は視聴者らに対し、女性のけがは本物ではなく「特殊効果」だと説明し、「このようなアドバイスを必要とする女性たちが日常生活や出勤を続けられるよう、解決策を提示する」ための化粧法を紹介した。

放送当日は大きな注目を集めなかったが、同局webサイトに収録映像が掲載されると、2016年11月25日までにはSNS上に大きな反響が寄せられ、批判が殺到。
その後映像は削除された。

情報拡散の経緯

モロッコ国営TVが、虐待痕隠す化粧方法を紹介。
同局のサイトに映像が公開されると、SNS上で非難が殺到。
炎上騒ぎへと発展。
その後、放送内容が不適切だったことを認め、謝罪。

加害者側(炎上させた側)の情報

同局は2016年11月25日の声明で、放送内容が「完全に不適切」だったと認め、「この問題のデリケートさと深刻さに鑑み、この過失について心より陳謝する」と言明。
また、2016年11月28日にもFacebook上に謝罪動画を投稿した。

ネット上の反応

このニュースを見た日本のユーザーからは、
「まずは虐待無くすこと考えるのが先でしょうに」
「虐待しても隠せばバレないとやる側に思わせた」
「無くすんじゃなくて無かったことにする方法を紹介するのは、そりゃいかんだろ。」
といったコメントが投稿されている。

結果(その後もしくは現状)

モロッコで2009~10年に行われた公式調査の結果、身体的・精神的・性的・経済的な虐待のいずれかを受けたことがあった女性は全体のほぼ3分の2に上り、うち約55%が家庭内暴力(DV)の被害者であることが明らかになっている。

参考URL

  • http://news.livedoor.com/article/detail/12345307/
  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00000002-jij_afp-int