まとめサイトが「発掘」、マスコミ追随　「落書き」神奈川大生が時間差炎上

神奈川大学の学生がドイツの世界遺産『ケルン大聖堂』に落書きし、同大が謝罪したことが波紋を広げている事例である。

問題発生の経緯

同大は今から1か月前の2016年7月9日、謝罪文を発表していたものの、当時はマスコミにほとんど報じられなかった。しかし、その1か月後、落書きをした学生のものとみられるTwitterがまとめサイトに拡散され炎上、今になってようやく、複数の大手マスコミがそれを追いかけた形だ。

発表文によると、課外活動の海外研修中だった同大の学生2人が16年6月30日、ケルン大聖堂に落書きをした。発覚後、同大は副学長を現地に派遣。副学長は2016年7月7日、落書きをした学生とともに大聖堂を訪問し、大聖堂側に報告、謝罪した。大聖堂側は、謝罪を受け入れ、「今後の友好と信頼のために前向きなご示唆」を与えたという。

この一件は、発表当時ほとんどマスコミに注目されなかった。2016年7月中は、13日付け読売新聞（東京版）朝刊に短い記事で掲載されただけのようだ。しかし、8月に入り、大聖堂に落書きをした学生とみられるTwitterアカウントがどこからともなく発掘。落書きを報告する投稿も見つかった。

2016年8月2日から3日昼までにかけて、大手まとめサイトがツイートをスクリーンショットの形で拡散し批判が相次いだ。

情報拡散の経緯

神奈川大学の学生がドイツの世界遺産に落書き。
この件に関して、同大が謝罪。
当時はマスコミにほとんど報じられなかったが、まとめサイトに拡散され炎上。
複数の大手マスコミがそれを追いかけている。

加害者側（炎上させた側）の情報

学生はTwitterに「ケルン大聖堂にもいって580？の階段のぼって絶景も眺めて名前刻んできた～」と報告し、落書きした部分の写真を添えたが、8月4日14時までに該当のTwitterアカウントは削除された。

被害者側（炎上させられた側）の情報

課外活動の具体的な内容は個人が特定されるので答えられないとしたものの、学生の処分は「現在検討中」だという。

ネット上の反応

「今までどんな教育と環境で育ってきたんだ？」
「大学生でしょ？小学生じゃあるまいし」
「このバカタレ」
「修復のための費用がどのくらいかかるのか」
といったコメントが投稿されている。

結果（その後もしくは現状）

マスコミも大学の発表から1か月遅れで唐突に報じた。
2016年8月3日夜に、『世界遺産・独ケルン大聖堂　課外活動の神奈川大2学生が落書き　大学側謝罪』（NHK）、『神奈川大生、ケルン大聖堂に落書き　ツイッターで発覚』
（朝日新聞電子版）といった記事が公開された。

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